文化審議会は7月21日、小鼓方大倉流の大倉源次郎氏ほか3名を重要無形文化財保持者(各個認定=人間国宝)に認定するよう文部科学大臣へ答申した。
能界での人間国宝は、川崎九淵、喜多六平太(十四世)、幸祥光、善竹弥五郎、松本謙三、近藤乾三、野村万蔵(六世)、亀井俊雄、柿本豊次、安福春雄、櫻間道雄、後藤得三、藤田大五郎、幸宣佳、茂山千作(三世)、豊嶋弥左衛門、高橋進、三宅藤九郎(先代)、宝生弥一、鵜澤寿、瀬尾乃武、森茂好、松本惠雄、観世銕之亟(八世)、粟谷菊生、茂山千作(四世)、金春惣右衛門、北村治、宝生閑、曽和博朗、片山幽雪、三川泉、安福建雄(以上物故)、野村萬、亀井忠雄、野村万作、友枝昭世、一噌仙幸、山本東次郎、梅若玄祥、三島元太郎、大槻文藏、野村四郎の諸氏で、このたびの大倉源次郎氏の認定で44人目になる。
認定理由は、伝統的な能囃子方小鼓の技法を高度に体現し、重要曲を数多くつとめながら卓越した技量を示すのみならず、積極的な演奏活動を展開している。また、斯界の発展に貢献するほか、後進の指導、育成にも尽力している、というもの。
▼大倉源次郎氏略歴:大倉流小鼓方16世宗家。昭和32年生。15世故大倉長十郎の次男。昭和40年独鼓「鮎之段」で初舞台、45年「岩船」で初能。62年大阪文化祭賞奨励賞、平成4年大阪市咲くやこの花賞、平成6年度大阪文化祭賞(団体)、11年度大阪舞台芸術賞奨励賞(団体)、28年観世寿夫記念法政大学能楽賞受賞。流派を超えて日本内外を問わず演能を行う傍ら、新作能、復曲能への参加も多数。国立劇場養成(能楽三役)研修主任講師。(公社)能楽協会理事。
また同時に、重要無形文化財保持者(総合指定)に、新たに左記45名が追加認定された。これにより現在の保持者(総合認定)は全527名となる。▼シテ方:梅若泰志、永島充、長谷川晴彦、山口剛一郎、野村昌司、佐久間二郎、長山耕三、深野貴彦、今村一夫、清水義也、吉田篤史、橋本忠樹、坂井音雅、井戸良祐、武田友志、立花香寿子、角幸二郎、谷本健吾、大江信行、坂井音隆、長山桂三、坂口貴信、齊藤信輔、武田大志(以上観世流)、山井綱雄(金春流)、久貫弘能、衣斐愛、小林晋也、高橋憲正、宝生和英(以上宝生流)。▼ワキ方:平木豊男(下掛宝生流)。▼笛方:野口亮、左鴻泰弘(以上森田流)、竹市学(藤田流)。▼小鼓方:古田知英(幸流)、久田陽春子、上田敦史(以上大倉流)。▼大鼓方:原岡一之(葛野流)。▼太鼓方:梶谷英樹(金春流)。▼狂言方:茂山千五郎、大藏彌太郎、茂山宗彦、茂山茂、山本則重(以上大蔵流)、能村晶人(和泉流)(※芸名表記/年齢順)。