▼対談▼
「能を伝える」
〜 粟谷明生師 還暦を機に 〜
粟谷明生(シテ方喜多流能楽師)
石井倫子(日本女子大学文学部教授)
▼今年還暦を迎えられるシテ方喜多流の粟谷明生氏。全国で精力的に舞台をこなすかたわら、自身のブログ(粟谷明生ブログ:http://blog.goo.ne.jp/googeba)やFacebookなどで能については勿論、広い視野と様々なテーマで膨大(!)な文章を発表しており、その発信力とスピードは目を見張るほどである。そのパワーの源はどこにあるのか。書き続ける理由とは。その他、自身が続けている普及活動や学生への指導、趣味の写真、今後についてなど、氏をよく知る日本女子大学文学部教授の石井倫子氏を聞き手に、粟谷氏が還暦を迎えた今何を思うのか率直なお話を伺った。
[見出し]
(1)一つの通過点
(2)発見もあって
(3)観客の発掘
(4)書くのも勉強
(5)演能後を振り返る
(6)能の普及のこと
(7)写真と舞台と
(8)人生年表
※粟谷明生氏:1955(昭和30)年生。シテ方喜多流職分。故粟谷菊生の長男。父および十五世喜多実、友枝昭世に師事。3歳「鞍馬天狗」花見で初舞台。以後「猩々乱」「道成寺」「翁」「石橋」「望月」「定家」を披く。舞台で活躍するかたわら、公開講座やインターネットでの情報発信など能の普及に積極的に取り組んでいる。重要無形文化財保持者(総合認定)。著書に『粟谷菊生能語り』(ぺりかん社)。
※石井倫子氏:昭和42年、大阪府生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科国語国文学専攻博士課程修了。博士(文学)。中世文学(能・狂言)専攻。現在日本女子大学教授。著書に『風流能の時代~金春禅鳳とその周辺~』(東京大学出版会)、『能・狂言の基礎知識』(角川学芸出版)、共著に『日本の古典をよむ 風姿花伝・謡曲名作選』(小学館)など。
【その他読物】
〈批評と感想〉
公演する思い〜7月の能・狂言から〜/村尚也
▼「月見座頭」大藏彌太郎、「水無月祓」観世銕之丞※、「大瓶猩々」井上裕久、「簸屑」三宅右近、「鬼ヶ宿」茂山あきら、「梅・彩色之伝」観世清和、「佐渡狐」石田幸雄、「自然居士」香川靖嗣※、「浮舟」柴田稔、「善界・白頭」片山九郎右衛門※、「蟻通」櫻間金記、「清経・恋ノ音取」本田光洋、「橋弁慶」宝生和英※、「悪坊」三宅右近、「紅葉狩・紅葉ノ舞、群鬼ノ舞」金春安明、「砧」遠藤勝實※、「謀生種」野村万作※、「千鳥」小笠原匡、「見物左衛門」野村万禄、「煎物」野村萬、新作能「ネキア」梅若玄祥・観世喜正、「船弁慶」武田孝史※ほか。(※印は紙面に写真掲載)
りゅーとぴあ能楽堂『春の能楽鑑賞会』/写真と文・渡辺国茂
▼6月28日りゅーとぴあ能楽堂で行われた公演を紹介。出演はシテ方観世流遠藤和久、喜久兄弟。
新作能「冥府行─ネキア─」を見る/森村進
▼7月15日、国立能楽堂で行われた新作能「冥府行─ネキア─」の公演を紹介。写真は吉越研。
その他記事
▼大津伝統芸能会館開館20周年記念公演、粟谷明生還暦記念粟谷能の会、観世流シテ方小山文彦氏逝去、シンポジウム〈わざ継承の歴史と現在─身体・記譜・共同体〉、のうのう能、55周年記念幸扇会秋の別会、茂山千作三回忌追善東京茂山狂言会、飯冨章宏還暦記念花能舎之会……ほか。
☆9月に行われる全国の能楽公演スケジュールを網羅した「今月の能」収録!☆
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