JXTGホールディングスは6月、第49回JXTG音楽賞の受賞者を決定し、能楽会から「音楽賞・邦楽部門」に、シテ方観世流二十六世宗家の観世清和氏が選ばれた。
同賞は、昭和46年に「エクソンモービル賞」として創設され、日本の音楽文化の発展・向上に大きく貢献した個人または団体に贈られる賞で、邦楽部門と洋楽部門(本賞・奨励賞)の二部門にて構成される。過去には、観世寿夫(第6回)、一噌幸政(23)、観世榮夫(28)、山本東次郎(31)、近藤乾之助(40)の各氏のほか、楽劇評論の成果で横道萬里雄氏(37)も選出されている。
受賞理由は、「国内外での公演で見事な演奏によって観客を魅了しつつ、古典の伝承とともに新作能を積極的に推進している。能の保存・研究・普及のために、観世家に伝わる能面・能装束・伝書の保管を目的に『観世文庫』を設立し、最近はそれらを『観世アーカイブ』としてインターネット上でも公開している。2017年には観世能楽堂を銀座に移転するという大事業を成功させた。『GINZA SIX』内に設置した二十五世観世左近記念観世能楽堂を、能に限定することなく、他のジャンルも使用できる多目的ホールとしている。700年にわたって継承されてきた能の伝統を担い、それを次世代に伝えるとともに、新しい能のあり方を考え続ける観世清和氏の姿勢を高く評価する」というもの。
表彰式は11月15日にパレスホテル東京(東京都千代田区)で開催される。