10月29日(土)14時半から、京都市中京区の冬青庵能舞台で行われる第17回『冬青能』で、能「永訣の朝」が上演される。
この作品は、宮沢賢治が妹トシの死を詠った同題の詩を下敷きに、シテ方観世流青木道喜氏が作成したもので、初演は平成8年10月25日、京都観世会館(シテ青木道喜)。賢治を弔うため岩手を訪れた僧が とし子の霊に遭遇し、賢治ととし子のふたりの心の往還を見るという夢幻能形式の能で、謡の随所に賢治の言葉がちりばめられている。
※動画=仕舞「永訣の朝」(宮沢賢治・原作 青木道喜・翻案・作曲・型付)
青木氏は「能は世界的に見ても詩劇のトップランナーと言えると思う」とした上で、同作について「能の技法と現代詩人の魂から吐き出た言葉のぶつかり合いは、危機が予想される能の未来を切り開くものだと信じています。能〈永訣の朝〉は、因習と伝統とを混同せず表現力を磨きたい、という想いで作りました。今回は細かいところに新たな工夫をこらし、決定版を狙って稽古をしています」と語った。
当日のプログラムは、講演「ひとわんの雪」村瀬和子、舞囃子「菊慈童」青木真由人、囃子・左鴻泰弘、吉阪一郎、河村大、前川光長、地頭・浦田保親、能「永訣の朝」シテ(とし子の霊)青木道喜、ワキ(暁鳥敏)宝生欣哉、囃子・左鴻泰弘、吉阪一郎、河村大、地頭・河村晴道ほか。
料金は一般=7000円、学生=3000円。
申込み・問合せ=冬青庵舞台☎075─241─2215へ。
[青木道喜氏 関連リンク]
野守:https://youtu.be/3AA-psjOi3U